2016年2月11日木曜日

イシク・クル湖の夏の思い出

2009年の夏にビシュケクから車を走らせてイシク・クル湖を訪れた。トヨタのプラダに2匹の犬を別々のケージに入れて、いつものドライバーに運転してもらった。その後を自分のトヨタの小型車で追走した。イシク・クル湖の北岸のほぼ中央に位置するチョルポン・アタは夏は避暑客でにぎわう。タシケントでさそりに噛まれて旅行の計画を断念してから5年経っていた。2007年の秋の終わりにキルギスに赴任してからは何度も周辺での仕事でこの湖に来ていたが、休暇で来るのは初めてだった。チョルポンアタの町に入ると空気がさわやかだ。ビシュケクが33度だったが、ここは21度で涼しい。

この湖ではコッテージ(山荘風)を借りて休日を楽しむ人が多い。そういう宿泊施設の一つであるラドガ(虹)はとても雰囲気が良い。旧ソ連時代の青少年キャンプを近代的なリゾートに改造した伝統のある施設で空に聳えるほどの木立ちと咲き乱れる薔薇がすばらしい。従業員の対応が融通がきかないのが難点。この施設正面ゲートでの厳しい出入りのチェックがあり、敷地内は安心。いくつもの平屋のコッテージがたち並び、手入れの行き届いた芝生があり、バラが咲き乱れている。メインロビーのある建物には、宿泊客のためのレストランがある。プライベートビーチの細かい砂はベージュ色で、掃除も行き届いていら。ビーチパラソルがあちこちに開き、甲羅干しをする人がいる。桟橋が湖に突き出し、その左右に屋根つきの湖上テラスが広がる。人はそこから、湖に入って泳ぐ。飲み物やスナックを楽しみながらのんびりと時間が過ぎる。

ちび太とマッツはいつものように5時半頃には目が覚めて、外に出たいとせがむ。持参したドリップのコーヒー飲んで目をさます。それを待つのももどかしい犬たちが床をカタカタと歩き回る。これまで暮らしたウズベキスタン、マケドニア、キルギスでは犬は大きくて怖そうな番犬が多い。我が家の犬たちは犬好きの人には好かれるが、地元の人の多くは犬を怖がるので、散歩も小屋の周りだけ。浜辺には連れて行けない。

湖は向こう岸が見えないほど、青く広い。その昔三蔵法師がここを旅したそうだ。宿泊客もロシア風の顔、アジアの顔といろいろでここはどこの国かと思ってしまう。時折ロシア語が聞こえ、街灯に照らされた夜の浜辺が静まりかえっている。犬に振り回された休暇だったが楽しかった。家に居るときよりも犬の世話に気を使って疲れたと妻はこぼしていた。8月半ばの湖畔は肌寒かったが、ビシュケクに戻るとまだ夏の盛りだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿