2016年2月11日木曜日

キルギスの友人 2015年秋の外務大臣表彰

90年代からの旧友コイチュマノフさんが日本とキルギスの友好親善を深めてきた功績により、外務大臣により表彰された。1990年代後半に閣僚経験があるこの人とはEBRDの2件目のインフラ案件だった1998年のタラス送電線改修工事の調印式でお会いしたのがつき合いの始まりだ。わたしにとってもキルギス共和国の電力案件を担当するようになって初めての調印案件だったので思い入れが強い。2007年末にビシュケクに赴任した時には、投資評議会の事務局長をされていたのでなにかと仕事でご一緒する機会があった。

キルギスには赤ん坊が一歳になる時に親戚・友人を招いて大きなお祝いをする風習がある。2008年にコイチュマノフさんのお孫さんのお祝いの席に招かれた。同席したコイチュマノフさんの友だちで、当時の大統領の側近だった人が深夜の不審な交通事故で亡くなったのは2009年の始めだった。痛ましい出来事だった。この事故以来、バキエフ組は傍若無人の振る舞いと公共財産の私物化を推し進め、2010年4月の政変で打倒されるまで暴走を続けた。バキエフ政権が打倒されると不審な交通事故は有力な側近が政敵に変わりつつあったことを恐れたバキエフ組による殺人事件であることが明らかにされた。

この人はJICAの研修プログラムで訪日して以来の親日家でもある。いつも若い人たちと一緒にいて、投資評議会の仕事以外には表舞台から一歩後ろに下がっている感じがした。ある時酒を飲みながら「もう一度閣僚として活躍する予定は?」 と聞いてみた。「自分もそうだが、今の指導者たちは古い世代に属している。自分が興味があるのはその次の世代を育成することなんだ」 と心境を教えてくれた。1991年のこの国の独立以来の表舞台も裏舞台も見てしまったこの人は、次の世代に望みをつなぐことでなんとか頑張っているような気がした。

彼のような日本の友人を増やしていくのは大切なことだと思うので、今回の表彰がとても嬉しい。






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