脱サラして日本を飛び出してから最初の勤務地がウィーンで、その次がロンドンだった。華やかな街で通算8年半ほど暮らしてから12年ほど途上国の暮らしを経験した。この途上国への移動については「可哀そう。都落ちか」という感じで親戚辺りから受け止められたけれど、本人の気分は逆だった。ロンドンの電力チームの仕事でコーカサスやら中央アジアに行く機会がある度に心が震えるのを感じていたからだ。これはそれまでアメリカやヨーロッパの大都市を訪れた時の感激とはまったく違う種類のものだった。その頃は仕事も不慣れで写真を趣味にする余裕はなかった。きちんと書き残す時間もないのでとりあえずポケットカメラで印象だけでも残したいと思っていた。そういう1枚。1997年に撮影したキルギスの草原。

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